馬越康彦の日記

思いついたときに記事を更新

仏教の真髄(因果法則=CONDITIONALITY)に迫る

八王子でのホテル遍歴生活を終え、現住所に越してきてから、ひと月半がたった。期せずして長年守ってきた五戒を破ってしまうなどのアクシデントもありながら、誓願を立てて体勢を立て直し、仏教の真髄たる因果法則に迫ろうと、日本テーラワーダ仏教協会に代金を振り込んで、スマナサーラ長老の「縁起 いま、あなたはなぜここに存在するのか」と「因縁、縁起と輪廻転生の法則」の2つのDVD(後者は4月2日発送とのこと)を送っていただいた。

若い頃のスマナサーラ長老のエネルギー溢れる説法は日本語がとても聞きやすくて、正直この頃の長老の説法は映像・音声ともしこたまストックされているようなので、私は望めば24時間365日長老の説法を浴びるように聞き続けることができるので、歓喜のあまり言葉を失った。

 

仏教とはつまるところ因果法則なのですとの冒頭の挨拶の後、長老によって因果法則を知ることがなぜ解脱につながるのかが説かれていくのであるが、何といっても圧巻は後半30分の、眼と対象と、眼が対象を知覚すること、このたった三つ(触=パッサ)を出発とし、自と他を区別することによって(たったそれだけの我々にとってはごく自然なことによって)、輪廻転生の罠(わな)に延々と嵌(はま)ることを、平らな水の上にできたほんのわずかなふくらみ(波)が、海の水全体を知ろうとすることによって、その衝動から次々に十二因縁の罠に嵌っていく、長老が考え出した一つの説法例によって、存在の苦しみがなぜ十二因縁によって明かされるのかが見事に美しく、なんの問題もなく自然に解き明かされるのを見て、正直ぞっとした。体が震えた。

 

スマナサーラ長老という世界1,2の頭脳でさえ、こうした十二因縁の具体的適用例を何度も何度も何年間も頭の中で繰り返して構築して、初めてものにすることができたという。

 

もっとも並みの人間が、この因縁論にたどり着くことはあり得ず、修行完成の近い者が因縁を体験でマスターすれば、もうやることはないというくらいだから、如何に仏教の真髄の理解に因果法則の理解は欠かせないかが分かろうものである。

 

仏教を知らない一般の、世界の99.9999999999%の人には何が起きているのかすらわからない現象世界に於ける最重要法則たる因果法則、あるいはたとえテーラワーダ仏教徒であったにせよほんの僅かの悟りに近い人だけが真の意味を理解できる因果法則、そのすさまじい威力がDVD全体を通して伝わってくる。これが人間の智慧の最高峰なのである。世間は夢を見ているように輪廻転生してしまう。空海親鸞日蓮など何ら真理の足元にも近づいていなかったのである。まったく分からなかったのである。

この因縁の理解が分からないから、生命は輪廻転生を抜けられない。それくらい、西洋哲学などからは推察もしえないほど、高度な修行完成者の智慧が因果法則なのである。

 

因果法則が分かっていたら、解脱しているといって間違いないのである。人類最高の財産、それが因果法則である。

 

前回の記事を書いてから、日本も世界も新型コロナウィルスに席巻された。タイへ行くこともかなわなくなってしまった。自分はスマナサーラ長老という日本人の財産とも言うべき阿羅漢の説法を、自宅にいて浴び続け、外出することが安全となるまでに瞑想を極めつくそうと思う。