馬越康彦の日記

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世界生産への誘い

グーグルで世界総生産という言葉を検索すると、年度ごとのドルベースによる各国の総生産がヒットする。アベノミクスアベノミクスと言葉が躍って、対ドル、対ユーロでの円安が進行し、日経平均株価も上昇している。これにより輸出企業の期間利益は大幅に上昇し、それを受けて株価も上昇局面を迎えている。
ただこれは安倍内閣が金融政策と財政出動によって、係る流れを創出しているだけの話であって、実体経済が決して上向きになったわけではないことに留意する必要がある。つまり1ドル75円で販売した車が、円安になって1ドル80円で売上げが計上された結果、5円の売上げ増しになっただけの話であって、為替の変動により円ベースの財務諸表が赤字から黒字へ転換しただけの話でしかない。
本当に世界経済全体の成長を知るためには、為替相場の変動による影響から離れた実態を見据える必要がある。そのためには先ずドルを単なる基軸通貨にしておくだけではなく、各国がそれぞれ国や圏によって別々の通貨を発行することをやめ、米国ドルなら米国ドルを世界中の国が各国内でも使用する――つまり絶対貨幣にする必要がある。そうしなければ為替の変動によって世界全体並びに国ごとの国内総生産も統一された基準に沿って議論することができないからである。投機筋の動きによって円高、円安、株高、株安が決定されるのではなく、一つの絶対的基準となる通貨によって、世界の金融を統一する必要がある。
そうなるとファンドマネジャーはもう要らない。国ごとの財政・金融政策も不要である。金利は統一され、初めて世界経済の成長率が判明することになる。
各国ごとの金融・財政政策がある限り、豪州ドルや香港ドルが発生してしまう可能性が生じ、結果として通貨と通貨の交換レートが発生してしまうことを懸念するならば、国連もしくは国際機関によって金利誘導を行う必要性があるのだ。
これを実行することによって、初めて世界経済と人類の未来を議論する土台が構築されるのである。