馬越康彦の日記

思いついたときに記事を更新

2020年の東京五輪は失敗ではなかろうか?

2020年の夏季五輪の東京開催が決まった。私は今年(2013年)の酷暑で体調を崩したので、経済的な事情が許すのであれば、来年からは釧路や根室で夏をやり過ごそうと思っている。もちろん2020年まで生きていてもそうするつもりである。東京の夏は非常に不快で体に悪い。私は生で東京五輪を見るつもりはない。
先週ブエノスアイレスで2020年の夏季五輪の開催地が東京に決まった。選手の体調管理を考えると、東京開催は避けていただきたかった。その理由は酷暑にある。
ラソン以外の競技種目はドームの中で空調を管理して実施するので問題はないといわれているが、果たして本当であろうか?私は職業柄、今年の東京の酷暑をクーラーの効いた屋内で過ごしたのだが、体調管理にはずいぶん苦労した。夏が来る前はいい汗を掻こうと冬場から早朝のウォーキングを欠かさず行ってきたのだが、7月上旬の猛暑日の連続の前では体質改善は何ら功を奏しなかった。最新の機種で空調を管理しようとしても、人間の肌組織というのは実に繊細で緻密につくられているようで、一日中クーラーの中に居続けると体調を崩してしまうようにできている。つまり反自然的な環境下では長く居続けられず、どこかでバランスを崩してしまうということを本能的に思い知らされた。
2020年のオリンピック選手はどこかで選手村から外へ出て自然の中に体を置こうとするだろう。ホメオスタシスの要請からだ。つまり空調の効いていない場所へ出ていき、汗を掻き、体調管理に努めざるを得ない。ところが自然の中に身を置いたつもりになっても、東京の屋外の酷暑はもう反自然と言って構わない気象条件下にある。涼しい屋内と熱い戸外を行き来すれば体内環境はどう変化するか?アスリートなら考えない人はいない。体調管理に躓くと、いいプレーにはつながらないだろう。
次に空調を何度に設定し、風の影響をどう断ち切るかだ。開催国の自然条件の下で競技するということが、人種や民族を超えたオリンピックの公平性の担保であった。自然こそ、あらゆるプレーヤーが競技結果の不満を心にしまっておける拠り所であった。ところが空調に頼るようになると、この担保が実効性を持たなくなってしまう。暑い国、寒い国、世界各国から集ってくるプレーヤーが皆納得できる温度、湿度その他諸条件はいったい何に基づけば公平と言えるのだろう。僕が開催国の自然こそ競技の公平性の最後の担保だというのはこの点にある。
そしてインドアスポーツを侮らないことも重要だ。僕は主に卓球をやってきたのだが、ラケットやラバー、球の大きさ、競技台のサイズ、ネットの高さ、空調など、どれ一つとして蔑ろにできないものである。その中でも空調の問題は捨て置けない。会場内の微妙な空気の流れに球の動きが左右されるからである。卓球の一流選手で屋外の、風がいつ吹くやもしれない環境下でプレーして勝ち負けに拘らないなどという選手は一人としていないだろう。
卓球だけではない。空気抵抗を受ける競技は、どれを取り上げても空気の流れにセンシティブだ。福島原発放射能汚染の問題でも後ろめたさはある。コントロールできていない可能性の高いものを、制御下にあるなどと堂々と発言してしまったからだ。僕は1964年の東京五輪の年に生まれたのだけれど、二度目の五輪開催に諸手を挙げて賛同できないのは、ここまで述べてきたように、それが非自然的だからなのである。何が自然で、何が不自然か、この議論は避けて通れない。10月開催なら喜んで受け入れられるのに…。7年後が重苦しい。
後記:10月中旬となるのに東京では連日28度。冬開催でないと無理ですね。


7年後は東京五輪期間中となる8月4日。今年は日曜日で、銀座の歩行者天国では浴衣を着て打ち水をするイベントが開かれた。
<20年東京五輪>酷暑、大丈夫? 7年後の夏さらに温暖化
毎日新聞
 9月23日(月)8時0分配信
 2020年の東京五輪は10月開催だった1964年の時と違い、開催期間が真夏の7月24日〜8月9日と決められ
ている。今年の同期間の天候を日本体育協会が定める熱中症予防指針に照らすと、17日間のうち12日間が運動の中止
が推奨される酷暑だった。「アスリートファースト(選手第一主義)」を掲げる20年東京五輪だが、世界中から集まる
選手たちは耐えられるのか。都や招致委員会は期間中の対策だけでなく、地球温暖化に対する取り組みも迫られている。
【佐々木洋、清水健二、飯田和樹】
 ◇今年なら12日間「運動中止推奨」
 日体協は暑さの国際的な指標である「暑さ指数」が、31度以上だと「運動は原則中止」▽28度以上31度未満は「厳重警戒(激しい運動は中止)」▽25度以上28度未満は「警戒(積極的に休息)」−−などと定めている。今年の7月24日〜8月9日のうち「原則中止」は2日間、「厳重警戒」10日間、「警戒」5日間。男子マラソン予定日の8月9日は、午前
11時で既に原則中止レベルだった。
 招致委が国際オリンピック委員会(IOC)に提出した開催計画書は「この時期は晴れる日が多く、かつ温暖で、アスリートに理想的な気候」と記しており、東京五輪に反対する市民グループからは「ウソに近い」と批判が上がっている。
 毎年8月に実施される北海道マラソンでは、2月の東京マラソンより多い18カ所の給水所を設け、紙コップ80万杯以上の水を用意。さらにレース終盤は緑が多い大学構内を走るコース設定にしているが、気温が30度を超えた昨年は熱中症で搬送されたランナーが300人超に上った。
 事務局は「終盤に緑が多いコースでなければ棄権はもっと増えるかも」とみる。
 さらに7年後になると、東京の真夏はより暑くなっている可能性がある。気象庁が今年3月に公表した「地球温暖化予測情報第8巻」によると、16〜35年は東日本太平洋側の年平均気温が現在より約1度上昇。夏になると、最高気温30度以上の真夏日と最低気温25度以上の熱帯夜の日数が、それぞれ5日以上増加すると予測されるという。
 ◇放映権がからみ日程変更難しく
 では開催期間を変えることは可能か。都スポーツ振興局によると、7月15日〜8月31日前の記事という日程はIOCが指定。担当者は「欧米の大きなスポーツイベントがある時期を外し、五輪最大の収入源であるテレビ放映権料を確保するために調整した結果だろう。この日程はやむを得ない」と話しており、期間変更は難しそうだ。
 このため、都は五輪の暑さ対策として、屋内競技の全施設に冷房を完備▽マラソンは早朝スタート▽屋外競技ではミスト(霧)シャワーを随所に置く−−などを挙げる。ヒートアイランド化を食い止めるため、街路樹や、日光を反射しにくい舗装の道路を増やす計画もあるが、これらの予算は五輪と別枠。選手にどこまで効果があるかも「はっきりしない」(建設局)とい
う。 ただ五輪の開催時だけでなく、7年後を見据えて国レベルでも温暖化対策を進めていく必要がありそうだ。
 ◇暑さ指数◇
 温度、湿度、日差しの強さの3要素で暑さの体感を示す指標。正式名は「湿球黒球温度(WBGT)」。熱中症の危険が高いとされる暑さ指数31度以上は、おおむね気温35度以上に相当する。運動や日常生活、労働者の作業などの指針は、これに基づき定められている。


最終更新:9月20日(金)14時30分
サッカー=UEFA、カタールW杯夏季開催は「不可能」
ロイター
 9月20日(金)14時30分配信
[19日 ロイター] - 欧州サッカー連盟(UEFA)は、カタールでの開催が決まっている2022年ワールドカップ(W杯)について、夏季に行うことは不可能との見解を示した。
国際サッカー連盟(FIFA)のジム・ボイス副会長は、テレビ局スカイとの電話インタビューで、「UEFAは理事会で、酷暑のカタールでW杯を開催することは不可能との意見で全員が一致した」とコメント。今後、カタール側も含め解決策を協議することになると述べた。
W杯が通常開催される6月から7月にかけて、カタールでは酷暑となるが、同国の招致委員会はスタジアムに冷房を完備し、約28度に保つため夏季の開催は可能と述べてきた。しかし、スタジアムを離れたところでファンが猛暑にどう対応すればいいのかという点が問題視されており、冬季開催案が浮上している。
FIFAは10月の理事会で開催時期の変更について基本合意に至ると予測されているが、冬季開催となれば欧州各国のリーグとスケジュールがぶつかることから、各クラブおよびリーグは減収を恐れ難色を示している。また、開催時期を変更すると、招致に敗れた側が訴訟を起こす可能性や、再投票を求める声が出るのではとの指摘もある。